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ハスキー犬のクロのこと

まいきむ家最初にやって来たワンコは
シベリアンハスキーのクロだ。

その頃は、ハスキーがブームで、ペットショップには必ずいたものだ。

ある日、まいきむパパが数少ない友人の一人、Oちゃん宅で
ハスキーの赤ちゃんが生まれるから
一匹もらえることになった。
とうれしそうに報告してきた。

まいきむも子供の頃から犬が大好きだったが、
当時は、長男が2歳、長女がの0歳児で
育児で毎日がヘロヘロだったので、
とても子犬を迎え入れる状況にはなかった。

が、「男の約束だ!」とパパは譲らず。
とりあえず生後1ヶ月の時期にOちゃん宅に伺い
どんな犬なのか興味もあり、対面してしまった。

気が乗らなかったとはいえ、可愛い子犬を見て、抱いてしまったら
もう、いりませんとは言えなかった。
お母さんのモモちゃんに似た白黒の元気な男の子を迎える決心が固まった。

「クロ」は離乳が終わってから、やって来た。
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それはそれは元気で、獣医さんが
「クロちゃんは、そんじょらそこらの元気さじゃないよ~大変だぁ」と言っていたが
ちょっと、性格がきかなかった。

赤ちゃんハスキーは、とっても可愛い。

だけど
幼い子供達と、一緒に育てたら良くないような気がした。
(今ならそんな風に思わないのだけれどね)

寝室には絶対入れず、添い寝などもしなかった。
夜は玄関で過させた。

早く外飼いしたくて、犬小屋と特大サークルを用意した。
今思えば、一番愛情をかけるべき時期に、接し方も薄かった。

あっという間に大きくなったクロ。
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でも、
きっと、寂しかったよね。
お座り・お手・おかわりを教えただけで、しつけはなにもしなかった。
というか、しつけるということを理解していなかった。

叔母が「大きな犬を飼うなら、しつけのスクールみたいな所に入れにゃいかんよ」と
こっちの(富山)人たちはみなそうしていると、教えてくれたが
北見ではそういうスクールもないしということに甘えていた。

しかし、全くしつけの入っていない性格のきかないハスキーは
トラブルメーカーになってしまった。

脱走を繰り返し、かまってくれた人を噛んだり。
保健所に迎えに行ったこともあるし、菓子折りと見舞いを持って謝りに行くことが
何度もあった。
困った犬だ。
そんな風に思っていた。
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でもね、
クロのそんな行動は、全部飼い主のまいきむ夫婦の責任だ。
散歩もしたりしなかったり、毛の手入れやスキンシップ、全部が不足していた。

そんなクロも、脱走は去勢後に皆無になった。
噛み癖はなおらなかった。

次第に年を取って、毛色も白灰になった。


二年位前から、不穏な鳴き行動が続き、
足腰や視聴覚の低下など老化と思われる症状が目立ってきた。
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去年の冬の初めには、鎖が少しでも足元を交差や絡まる事に対処できなくなり、
石や枯れ草にも引っかかって動けなくなる事が頻繁に起こり、心配していた。
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そんな雪の降るある日、
まいきむが帰宅すると、眠っているクロに紳士用ジャンバーが掛けられていた。
通り掛りの男性が、雪の中で弱々しく眠る老犬を不憫に思い、
脱いで掛けて下さったのだろう。

このことで、まいきむなにやってるの?
他人でも、こんないたわりが出来るのに。
頭をガーンと殴られたような気持ちだった。
もう、迷うことなく、クロを室内で過させる事にした。

元気な頃は、たまに家に入れても、暑がってすぐに「帰る」と
玄関に退散していたものだが、
こんなに痩せ細った体では、北見の冬は乗り切れるはずがなかった。
危機一髪だったかもしれない。


クロはオムツをつけて、よろよろ歩いたり横になったりして過した。
フローリングが滑って歩けないので、幼児用のそこにゴムの滑り止めが付いた
靴下を履かせた。
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まいきむの膝枕で眠る事も好んだ。
側にいる時間が長いと何かと世話が出来る。
ほとんど見聞き出来ずに危険なため、なるべく障害物を置かないようにしていた

 朝晩の散歩では、待っていたかのように排泄したので関心したものだ。
しっかりリードを引いていないと頭から崩れ落ちる。
ツルツル路面や段差はその都度抱いて逃れる。
ハスキーとはいえすっかりやせ細ったクロを抱くのは何の苦労はない。
 食事は、器を口元辺りで固定させてやる。
食欲はあるが目が見えないので、手渡しでおやつを与えると指毎噛まれ非常に痛い

 柴犬「はな」がクロの周りをうろついて、なんともほほえましい光景である。
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犬は外で鎖でつないで飼うもの。
そんな風にとらわれていたのはおかしなことだった。

犬が家の中に2匹いるって、こんなにいいものだったのか。
初めて知ったまいきむ。
さらに、消えかけた命を必死に燃やし続けるクロが、
今頃になって愛おしくてたまらなく、ずっとずっとこのまま生きていて欲しいと願った。

せめてクリスマス、せめてお正月。
せめて雪が溶けて春になるまで。。。。。

今まで大事にしてこなかった分を、たくさんそばでお世話をして
罪滅ぼしをさせて欲しいと思った。

クリスマスを目前にした1年前、
まいきむが外出した1時間半の間に
クロは一人ぽっちで、虹の橋に向かった。

14歳と4ヶ月だった。


まいきむが、
もっと早くにクロへの接し方を改めれば、
少しでも幸せな記憶を残せてあげられたのにね。

クロは、まいきむの所に来たばっかりに寂しい犬生を送ることになった。
最期の一月だけ、飼い主らしいことをしてあげられたのは。

クロへの申し訳ないという気持ちは、
その後、はなちゃんやココを迎え生活する中で
どんどん強くなっていった。

こんな風に犬と共生出来るって幸せを感じれば感じるほど
クロにも、そうしてあげれば良かった、と込上げるのだ。

今回、ちろと出会うきっかけになった「里親募集の掲示板」を
クリックする気持ちになったのは、
クロへの思いからなんだ。

クロへの思いをこめて、ココとちろを大切に愛していくよ。

by cocokim | 2007-12-23 23:01 | ハスキー犬クロ